コンセプト

Scrumban とは?

Scrumban は、Kanban の連続的な流れと Scrum の期限付きスプリントを組み合わせた働き方です。作業は目に見えるボードの上をカード1枚ずつ進み、短いスプリントがその流れにゴールと区切りを与えます。ボードとリズムは残し、Scrum の会議と役割の大半は落とします。

Weft は、ひとり創業者と小さなチームのための AI タスク管理です。

Scrumban とは実際のところ何か

Scrumban は、Kanban と Scrum のうち働きに見合う部分だけを残し、あとは落とします。Kanban からは、目に見えるボード、カラムによるワークフロー、そして仕掛かり作業の量に対する明示的な上限——流れを読めるようにするもの——を取ります。Scrum からは、期限付きのスプリント——バックログを計画に変えるもの——を取ります。

落とすもの: 毎日の朝会、グルーミングの会議、ストーリーポイントの儀式、儀礼としての振り返り。整った組織にいる10人のエンジニアには機能しますが、土曜日に何かを出そうとしているひとりの創業者には機能しません。

名前の由来は Corey Ladas です。彼のエッセイと、のちの著書 Scrumban は、Scrum チームが固定のイテレーションからプル型の流れへ移っていく道筋を描きました。

Scrumban・Kanban・Scrum の違い

3つの違いは主にふたつです。作業を期限付きの区切りで計画するかどうか、そしてボードのまわりにどれだけのプロセスがあるか。

KanbanScrumScrumban
リズム連続的な流れ、期限付きの区切りなし1か月以内の固定長スプリント連続的な流れ。スプリントは任意で、たいてい1〜2週間
作業量を制限するもの仕掛かり作業に対する明示的な上限スプリントプランニングでチームが引き受けた量スプリントゴールの範囲内での仕掛かり作業の上限
役割必須の役割なしプロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者必須の役割なし
会議必須の会議なしスプリントプランニング、デイリースクラム、スプリントレビュー、レトロスペクティブキューが減ったら計画。スプリントの終わりに短い振り返り
途中での優先度変更いつでも可スプリント中はスプリントゴールが守られるバックログはいつでも可。スプリントゴールは変えない
向いている用途サポート、運用、途切れなく届く依頼固定のリズムと役割を求めるプロダクトチーム流れと区切りの両方がほしいひとり創業者や小さなチーム

出典: スプリント、役割、イベントについては スクラムガイド、流れと仕掛かり作業の上限については カンバンガイド。

Scrumban ボードはどんな見た目か

Scrumban ボードは、Kanban ボードにスプリントを重ねたものです。カラムは作業がどこにあるかを示し、スプリントはバックログのどの部分が今週のテーマかを示します。最小構成のボードは4つのカラムです。

  • Backlog — やるかもしれないことすべて。下のほうは順不同、上のほうは順番どおり。
  • Todo — 次にやると決めたこと。わざと少なくしておきます。残りが少なくなったら、それが計画のタイミングです。
  • Doing — 誰か(人でも AI エージェントでも)がいま取り組んでいること。
  • Done — 終わった作業。スプリントの終わりに片づけるかアーカイブします。

Scrumban ボードの作り方

  1. Backlog、Todo、Doing、Done の4つのカラムを作ります。
  2. わかっていることはすべて Backlog に入れます。全部を並べ替える必要はありません。上のほうだけ並べます。
  3. Doing に同時にいくつまで置くかを決めます。ひとりなら1つか2つ、小さなチームならおおむね1人1つ。
  4. スプリントの長さ(1週間か2週間)を決め、1文でゴールを書きます。Todo に入れるのは、そのゴールに役立つものだけです。
  5. プルで進めます。Doing の何かが終わったら、Todo のいちばん上から次のカードを取ります。誰も誰かに作業を押しつけません。
  6. 計画はカレンダーではなく、Todo が少なくなったときに行います。スプリントの終わりに、終わったことと終わらなかったことを見て、次のスプリントを始めます。

なぜ Weft は Scrumban を選ぶのか

Weft があるのは、たいていのタスク管理がふたつの極のどちらかに合わせて作られているからです。孤独な ToDo アプリ(無限のリスト、リズムなし)か、50人向けのアジャイル一式(ひとりの会社には重すぎるプロセス)か。Scrumban はちょうどその中間に位置します。週次や隔週での出荷を強いるには十分な構造で、出荷日を管理作業に費やすほどではありません。

Weft での実装

  • 既定の4つの カラム: Backlog、Todo、Doing、Done。仕掛かり作業の上限はカラムごとの数字ではなく、あなたを待っているものの量で決まります。 カンバンガイド は、仕掛かり作業を制限する明示的なポリシーをワークフロー定義の一部として扱い、空きができたときにだけ新しい項目を引き込むようにしています。
  • 同時に走る スプリント は1つだけで、ゴールは任意です。スプリント自体も任意です。純粋な Kanban が合うなら使わなくてかまいません。 スクラムガイド はスプリントを1か月以内の固定長のイベントと定義しており、前のスプリントが終わるとすぐに新しいスプリントが始まります。
  • タスクには優先度、見積もり、期限、そして任意のスプリント紐づけがあります。エピックも、ワークフローも、カスタムフィールドもありません。
  • サイクルタイムは、タスクが semantic="doing" のカラムに入った時点で始まり、 "done" で終わります。数字は正直な使い方から出てくるもので、ストーリーポイントの計算から出てくるものではありません。

AI エージェントと Scrumban

Scrumban が AI エージェントにも効くのは、プルで進めるからです。 MCP で Weft につながったエージェントは、次のカードを自分で取ります。start_task がそのカードを確保するので、別のエージェントが同じカードを拾うことはありません。そして complete_task が、やったことと証拠を添えてカードを完了させます。判断が必要になると、エージェントは推測せずにあなたに尋ねます。そして終わった作業があなたを待ちすぎているあいだは、エージェントは新しいタスクを始めません。これは Kanban の仕掛かり作業の上限を、増やすことのできない唯一の資源——あなたの注意——に当てはめたものです。

Scrumban が向かないとき

  • 複数の Scrum チームを並行で回している。 スクラムガイド は Scrum チームを通常10人以下としており、より大きなプロダクトは、1つのプロダクトゴールと1つのプロダクトバックログを共有する複数の Scrum チームに編成すべきだとしています。プログラム単位のレポート、共有ベロシティ、チーム間の依存——そこでは Jira のフル Scrum が元を取ります。 Nexus ガイド はまさにその状況のために書かれています。1つのプロダクトバックログから作業する複数の Scrum チームのために、チーム間の依存を見える化して解消する追加のプラクティスを定めています。
  • 純粋なサポートや継続的な運用をしている。 スプリントのリズムは不要です。純粋な Kanban かチケットシステムのほうが向いています。
  • ガントチャートやタイムラインが必要。 Scrumban はスプリント中心であって、依存グラフ中心ではありません。

Scrumban についてのよくある質問

Scrumban と Kanban の違いは何ですか?

Kanban は、仕掛かり作業に上限を設けた連続的な流れで、期限付きの区切りはありません。Scrumban はその流れの上に、ゴール付きの短いスプリントを加えます。そのため作業に区切りができ、定期的に計画するタイミングも生まれます。

Scrumban はアジャイルですか?

はい。Scrumban は Scrum と Kanban というふたつのアジャイル手法からできており、その核となる考え方を受け継いでいます。小さな単位で進めること、作業を見える化すること、定期的に届けること、学びに合わせて計画を変えることです。

Scrumban にはスクラムマスターのような役割がありますか?

必須の役割はありません。Scrumban は Scrum からスプリントを借りますが、役割やすべてのイベントは借りません。だからこそ、ひとり創業者や数人のチームに合います。

Scrumban のスプリントの長さはどれくらいですか?

たいてい1週間か2週間です。スクラムガイドはスプリントの上限を1か月としていますが、短いスプリントのほうが、ひとり創業者や小さなチームに意味のある頻度で区切りを与えてくれます。

スプリントなしで Scrumban を使えますか?

はい。スプリントがなければ純粋な Kanban になり、途切れなく続く作業にはそれで十分です。Weft ではスプリントは任意なので、週ごとのゴールがほしくなったときにオンにしてください。